各流派2 刀匠鐔
平安時代の後期頃より廃刀令の頃まで作り続けられる。刀鍛冶によって造られた鐔といわれる。
刀の作った余鉄を使った簡素なもので、円形の無文のものであったのが、小さな紋様を打ち抜くようになり、これが透鐔の誕生であると言われている。
「刀匠鐔」観賞のポイント
鐔の表面は槌目跡を残しそれを景色とし、刀の中心をみるような深い味わいを残している。
1)在銘のものはほとんどない。
稀に刀匠の銘を切っているものもあるが、江戸時代に入ってからのものが多い。
それは、鐔は刀に付随する拵の一部として考えられており、単独の作品としての認識がなかったためであろう。
2)江戸時代以前のものを「古刀匠」それ以降を「刀匠」と呼ばれているようである。在銘のものがないため、鐔の作風・地鉄の状態などで判別がなされる。
3)「古刀匠鐔」は、凸凹のない板鐔で、槌目地。「刀匠鐔」は、やや中高の碁石形となり、磨き地が多い。
4)耳は、甲冑師鐔のような細工はない。
5)丸形が多く、木瓜形のものもある。