No.T-419 鐔 無銘 長州 大根透図 保存刀装具鑑定書付
長門国は山陽道に属し、周防国とともに現今の山口県にあたります。古くから戦略の重要地点で、壇ノ浦の¥は源平合戦場として有名でもありあます。長州は水戸と並んで金工の数が多く、鐔も量産された地であり、藩の工業製作によっていっそう助長されたため、その結果、卓抜した名工が少なかったのですが、後の研究により、その力量が再評価され、河治・岡本・中井・岡田派などの流派が活躍した。武州伊藤派との技術や人流の交流も見落とすことができないものがあり、初期の精巧な肉彫り透かし後の鋤出彫りの作は、伊藤派の影響を強く継承している。本作は無銘なれど、地鉄が素晴らしく良く、大振りで堂々とした大胆な構図であり、長州藩工の心意気を充分に堪能できる作品です。また、大根の発音が大黒に似ていることから、大黒天のシンボルにもなったと伝え聞くきます。演技の良い図柄なのでしょう。
縦 | 84.0mm |
横 | 84.5mm |
厚み(耳) | 4.0mm |
厚み(中心) | 4.0mm |
中心 | 縦29.5mm横7.0mm |
重さ | 129g |
材質 | 鉄地・肉彫り地透 |
形状 | 丸形・両櫃孔 |
耳 | 丸耳 |
時代 | 江戸時代中期 |
品質 | 優良 |
付属品 | 桐箱・鑑定書 |
審査 | 保存認定・令和二年八月二十五日 |